2015.06.19更新

 

牟礼の里駅前クリニックの高橋です。

 

咳が長引いているのにレントゲン上異常をみとめないとき忘れてはならないのが気管支喘息です。

 

咳の持続期間が3週間未満の場合、原因としては感染症が多いのですが、3週を超える「遷延性咳嗽」の場合感染症以外の原因が増えてきて、8週を超える「慢性咳嗽」となると、むしろ感染症は少ない、と考えられています。

 

さらに「慢性咳嗽」の原因で一番多いのが気管支喘息と考えられており、近年では慢性咳嗽の5割以上が喘息である、という報告もあります。

 

気管支喘息といいますと、一般的には息をはくときゼーゼー、ヒューヒューという音が鳴り、呼吸が苦しくなる病気、と認識されていると思いますが、調子がいいときは呼吸機能が正常にもどるのが喘息の定義でもあり、クリニック受診時にはすでにおさまっていることが多いのです。

 

近年咳だけが唯一の症状である喘息(咳喘息)という概念も広がってきており、喘息の診断は決して簡単なものではありません。

 

まずは丹念に聴診をし、強く息をはいたときに喘息特有の異常音がするかどうか確認します。また、咳のでる時間帯(喘息では通常夜間)、やアレルギーの有無、いままでも風邪をひいたときなどに咳がつづいたことがあるか、などの問診が重要となります。

 

つづく  

前へもどる

投稿者: 牟礼の里クリニック

前へ